創業明治32年 (1899年) 小城羊羹初祖 村岡総本舗

村岡総本舗だより5月号248号

村岡総本舗 メルマガ

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◆村岡総本舗だより(パソコンEメール版)◆
       令和4年 5月号 No.248
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  注目されるシュガーロードの小麦の伝統菓子 丸ぼうろ

  麦秋の皐月(さつき)5月となりました。
小麦文化の先進地肥前(佐賀、長崎)では、様々な麦の食が今なお伝統食伝統菓子として
多くの人々に愛好されています。
 
 代表的な丸ぼうろ、カステラは佐賀・長崎で今も盛んに製造され、地域の銘菓として命脈を
保っています。
近年注目される丸ぼうろは多くのミステリーがあり、諸説が伝えられています。

 ルーツはポルトガル渡りとされ、400年以上前の記録「南蛮料理書」には卵の入らない
丸ぼうろが記されています。肥前で作られたとされるこの書物には「車で切る」とあり、「丸
い金型で抜く」現在の佐賀における伝統製法とは若干異なりますが、基本は同じとされてい
ます。下火だけでなく上火も必要で、カステラと同じ焼成方法が用いられていました。

  江戸時代後半になり卵が普及し、卵入りの丸ぼうろも出現し佐賀の「鶴屋文書」には、こ
のことが記録されています。
 昭和30年代には機械化され、いわゆる落し焼が普及しました。手づくりの型抜きの生地は
粘りがあるため機械の落し焼は困難となり、軟らかい生地が求められます。ここで型抜きの 
丸ぼうろとの味の違いが生れ、手づくりの型抜き丸ぼうろ独特のあじわいは貴重な食文化と
して評価されるところとなりました。

 京都のそばぼうろはこの機械製の生地のため、焼成がさらに進んで堅いあじわいとなりま
す。丸ぼうろを食すると、焼成が若干進まず軟らかいままのため、焼成不足の不良品との評
価がひと頃示されましたが、今では南蛮渡りの伝統菓子としての名声を博しています。

 強いあじわいを好む方がふえて、丸ぼうろの「うす味」にマーマレードや牛乳、アイスクリ
ームを加えて楽しむ傾向があります。

 本来砂糖が貴重な食品であったため、「うす味」の丸ぼうろは焼菓子として淡白なおいしさの
卵菓子でありました。同様のカステラも焼成時間は異なるものの卵と甘味を楽しむ南蛮菓子
として高い評価を得てきました。「うす味」の微妙なあじわいのおいしさこそが伝統食の真髄
であり、世界に誇る和の文化であることが長い歴史の内に伝えられてきました。

 本場ポルトガルの北部フェルゲイラスには王室御用達であった名店レオノール・ローサがカス
テラと丸ぼうろだけを銘菓として製造していました。これらの銘菓は、帽子を入れる手づく
りの化粧箱のような立派な紙箱にリボンをかけ高級品として販売されていました。

 ポルトガルと地中海で結ばれていた食の宝庫イタリアでも、丸ぼうろはミサのパンとして
存在していたようです。気温の高い南部ナポリあたりでは、生地が固く収まらないので製造
が困難とされ、北部で専ら伝統菓子として愛好されました。ナポリと姉妹都市の鹿児島では
小さな丸ぼうろ「まいぶろ」として僅かながら作られています。ナポリ同様に気温が高いた
め生地が固く収まらず、小ぶりとなっているようです。

 南蛮菓子の典型とされる丸ぼうろ。全国に広く流布された伝統菓子が何故佐賀の地で大き
く開花し、現代製法の機械製を含めて「あじわい」の多様性が注目されているのでありまし
ょうか。
 一説では「小城ようかん」に伝統製法と現代製法の2種があり、この多様性が丸ぼうろに
も及ぶことがいわれています。煉羊羹については、百年前全てが伝統製法であったものが、
今では全国各地のほとんどがアルミケース包装の現代製法となり、江戸時代以来の伝統製法
の舌にとろける「あじわい」とは若干異なる固さが示されています。食の先進地である肥前、
その中の近代における羊羹の本場小城では今なお伝統製法の深いあじわいが残され、現代製
法のアルミケース包装の羊羹とともに育くまれているのです。この一種ぜいたくな羊羹の伝
統製法と現代製法の共存が、丸ぼうろにも同様に型抜きの伝統製法と機械製の現代製法が共
存する由来との説があり、近年注目されています。

 伝統製法の羊羹は村岡総本舗の新商品「シベリア」にも用いられていて、その豊かなあじ
わいが「シベリア」の魅力をいっそう高めています。

 村岡総本舗の丸ぼうろの歴史は50年をこえ、平成30年より「バターぼうろ」を創製い
たしております。天山、脊振山系の小麦粉を一定量用いて独特の粘りとふくらみを創りだし、
卵・砂糖のバランスをはかりながら、「うす味」の焼菓子の妙味をつくりあげてきました。

 数多くの丸ぼうろをお楽しみいただき、麦の本場の本物のあじわいをおたしかめいただき
ますよう、ここに丸ぼうろのミステリーをご案内申し上げます。

   丸ぼうろ    https://muraoka-sohonpo.com/?pid=103504967
   シベリア    https://muraoka-sohonpo.com/?pid=148801740
   バターぼうろ  https://muraoka-sohonpo.com/?pid=129092592

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★東京に弊店社員が参ります。

伝統製法の羊羹「小城羊羹・特製切り羊羹」をはじめ、「とら焼宗歓」「丸ぼうろ」に
加え、「カシューナッツ羊羹」もお持ちする予定です。
百貨店での催し物の良い所は、弊店社員とお客様が対話を行いながら商品を選べる所
だと思います。
伝統製法の羊羹をはじめとする村岡総本舗の羊羹・和菓子をご覧頂き、購入頂ければ
幸いです。

・5月25日~5月30日 日本橋高島屋「第19回大九州展」(TEL 03‐3211‐4111)
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★フェイスブック・インスタグラム・ツイッターのご案内
季節限定の商品や、各地催し物のご案内を写真付きでご紹介しております。
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★全国各地のお求め先はこちら
   店舗案内 https://muraoka-sohonpo.co.jp/tempo
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★通信販売のご案内
 発送を承っております。コーヒーにも合うと好評のカシューナッツ羊羹とポルトガル
伝来の飴「あるへいと」の詰め合わせがおすすめです。
  カシューナッツ羊羹・あるへいと詰め合わせ https://muraoka-sohonpo.com/?pid=166240378
  ホームページhttps://muraoka-sohonpo.co.jp/
   電話  0952-37-3173(8時~17時)
   FAX 0952-37-3191
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◆村岡総本舗だより◆
提供・発行:(株)村岡総本舗 http://www.muraoka-sohonpo.co.jp
   本店・羊羹資料館 佐賀県小城市小城町861
      TEL 0952-72-2131(代)
営業本部  TEL 0952-37-3173(代)
      FAX 0952-37-3191
※本誌に関する御意見・御感想・お問い合わせなど
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