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◆村岡総本舗だより(パソコンEメール版)◆
令和4年 8月号 No.251
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カシューナッツ羊羹1周年!!
八朔(はっさく)の8月1日梅雨あけ早い猛暑の夏が続いています。
伝統製法の煉羊羹にカシューナッツを加えた「カシューナッツ羊羹」が発売以来1周年と
なりました。
全国的な「あんこブーム」の中で、カシューナッツ羊羹の格別の「あじわい」を創る伝統
製法の小城羊羹、「村岡総本舗の特製切り羊羹」が注目を浴びています。
今回はこの伝統製法の煉羊羹についてのストーリーをお伝えしていきます。
明治の文豪漱石や谷崎、そして明治生れの文豪松本清張が評価した羊羹の姿と味は、平成
20年代のNHK総合テレビ「うまい!」の取材の方々の羊羹への反応と同様と思われる
のです。
すなわち100度C以上の熱で長時間煉りあげられた、たくましい小豆が、砂糖と寒天との
「とり合せ」によって独特の「風格」と「あじわい」となって、その姿をあらわしている
ことです。
伝統製法の羊羹を最も高く評価し、平成時代になっても愛し続けた松本清張は好奇心の塊
であり世界中を歩き、数多くの食文化にふれたと拝察しています。その中で最も愛した菓
子のひとつが伝統製法の小城羊羹でありました。
百年前の大正時代末に初給料で20銭の小城羊羹を小倉旦過市場で購入した松本清張は平成
2年吉野ヶ里取材の帰路遠回りをして小城の村岡総本舗を訪ね、数多くの羊羹の自宅への
送付を依頼、さらに出版社の担当者にカバン一杯の数十本の羊羹をもたせたのでした。
大正時代末の百年前は日本全国で缶詰羊羹以外、ほとんどの羊羹が小城と同様の伝統製法
であったものが、戦後アルミケースの現代製法が一般的となり、体でその違いを鋭く感じ
ていた清張さんは、日持ちがしないとして入手しにくい状況となっていた小城の伝統製法
の羊羹をひたすら求めていたのでした。
30年前の平成4年8月4日清張さんは亡くなり、伝統製法の「風格」と「あじわい」を
評価する人は徐々に少なくなりました。そして殆んどの羊羹がアルミケースとなり、伝統
製法の「風格」と「あじわい」は消えてしまう時代となりつつあったのです。
その後平成10年前後の日本各地の物産展の盛況の中で、全国3位の人気と評された佐賀
県物産展が8年間大阪梅田阪急百貨店で開催されました。その中で特筆されたのが6日間
で1万本以上の売り上げとなった伝統製法の小城羊羹でありました。平均の2本を購入す
るケースがほとんどで、販売員は終日羊羹を渡し支払いを受け取る作業で、かつてない
忙しさに伝統製法の小城羊羹の大きな力を強く感じたと伝えられています。
平成25年のNHKテレビ「うまい!」の番組で、清張さんと同じ評価があらわれました。
当初スタジオ用に8キログラムの伝統製法の羊羹がリクエストされました。当時伝統製法
の小城羊羹は九州から関西を中心に紅煉の羊羹が主流となっていましたが、関東では「小
豆のこしあん」の「本煉」が評価され、「本煉」が例外的にとり上げられたのでした。
とりわけ「本煉の切りたて」はシズル感があふれていて本来の原料のもつあじわいに加え
水のおいしさが格別なため、スタジオのスタッフ一同が強い反応を示したのです。番組の
中でも「本煉の切りたて」は大きく評価され、その「風格」と「あじわい」は想定をこえ
て大きな反響となりました。結果として8キログラムの3倍、24キログラムが有料でリク
エストされ、「本煉」の伝統製法の「切りたて」の小城羊羹は再び高い評価をえたのです。
東京農業大学小泉武夫名誉教授の説にあるごとく、世界に比類のない豊かな水の力を食の
中に多用する「水を食べる日本人」のパワーは大きなものがあるとされてきました。豊か
な水に恵まれて、「薄味」を大切にしてきた日本人のせん細な感性は多くの分野で大きな
力となり、時代の先導者を育くんできました。この水分をいっぱい取り込みシズル感を最
大に表す凝固剤である寒天を原料としたことで、煉羊羹の「風格」と「あじわい」はさら
に高い評価を得たと推測されます。
このシズル感あふれる「伝統菓子の神髄」とされる煉羊羹の真髄は「切りたて」の「姿」
と「あじわい」にあります。小豆の機能性に裏打ちされた「あじわい」「おいしさ」が伝
わってきます。「この切りたての煉羊羹の姿に日本人の心が宿っている」といわれています。
伝統製法の煉羊羹の砂糖衣のイメージは、小城羊羹の旧来の形でありました。今では「シ
ャリで砂糖を前面に表わした煉羊羹の姿」から、水と小豆のおいしさをあじわう「切り立
てのシズル感あふれる姿」に転換してきています。
明治の文豪は、砂糖の甘味の誘惑ではなく、風格と緊張感そしてシズル感あふれる煉羊羹
の「姿」、そしてそこから生れる格別の「あじわい」を感じとっていたと思われるのです。
小城は豊かな水の文化に恵まれ、伝統食の文化を育くんできました。食べやすい様々な料
理や菓子は、続々と出現しており、現代はこの多様な食文化の海で多くの人々が漂流して
いると思われます。食文化の入口の食べやすい味が一般的となり、本物の機能的な伝統食
は遠い奥の存在となってしまい、薄味の本物の「おいしさ」「あじわい」がわからない時
代となってきています。人の心と体にとって大切な食は今こそ再考すべき時であり、奥の
奥に存在している伝統菓子の大きな役割を、ここに表現していただきたいと希望しており
ます。
つくり手としての村岡総本舗は創業明治32年以来羊羹づくりに心を注いできました。「あ
じわい」を常に追い求め、全国各地の羊羹とたえず比較をくり返しながら、今日に至って
います。昭和50年頃砂糖消費がピークとなった時代に、甘味だけでなく原料である豆類の
「おいしさ」を「あじわい」の第一とする流れが強まりました。百年前はほとんどの羊羹
は伝統製法で、一部缶詰羊羹であったものが、昭和40年代にはほとんどがアルミケースの
現代製法に置き変わろうとしていたのです。
伝統製法の「小城の切り羊羹」は、200年以上の歴史をもつ煉羊羹そのものです。江戸時
代後半に寒天を用いて創製された煉羊羹は、明治の文豪によって高く評価され、昭和の
文豪松本清張にも受けつがれました。
伝統製法の羊羹の切り立ての「風格」と「あじわい」は格別であるとして松本清張そして
「うまい!」のスタッフの高い評価をいただきました。この元となるのは中国でも機能性
が評価されてきた小豆を中心とした豆類と、苦い豆類との「とり合せ」で豆類の「おいし
さ」をひきだす甘味としての砂糖、そして羊羹の「風格」を表現する寒天の妙があります。
加えて小城の花崗岩の山から流れる名水がこの水分を多く含んだ伝統製法の羊羹の「風格」
と「おいしさ」の大きな力となりその独特の緊張感と格調ある姿をつくり出しています。
「切りたての伝統製法の小城羊羹」の姿は「風格」そして独特の「緊張感」があり、江戸
や明治の人々は、まずこの姿を見て食欲をそそられたと思われます。
「うまい!」のスタッフの方々も多くの食文化にふれた体験から、この境地に入っていか
れたと拝察しています。
平成まで受けつがれてきた小城の伝統製法の羊羹は、その本来の「風格」と「あじわい」
が伝統として理解しがたいものとなり、さすがに令和となってその本場の本物の「おい
しさ」が、わからない時代となりつつあります。
砂糖の甘味が時代をリードした江戸から昭和中期にかけてのシュガーロードの時代は終り、
人間の感性に訴える薄味の本物の「あじわい」が待望されています。
日本遺産となった「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」はそのような時代の
到来を映す新たな「伝統の創造」と思われます。ここに至って伝統製法の羊羹の主役は、
明治の文豪や清張さんと同様に「つくり手」から「食べる人」に移ったと思われるのです。
時代はくり返し、江戸の食文化の典型である「伝統製法の煉羊羹」は、「食べる人」によ
る「おいしさ」に評価を求めているようです。
カシューナッツ羊羹 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=159501998
小城羊羹・特製切り羊羹 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=102179118
流し箱羊羹 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=103188116
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★東京に弊店社員が参ります。
伝統製法の羊羹「小城羊羹・特製切り羊羹」をはじめ、「とら焼宗歓」「丸ぼうろ」に
加え、「カシューナッツ羊羹」もお持ちする予定です。
百貨店での催し物の良い所は、弊店社員とお客様が対話を行いながら商品を選べる所
だと思います。
伝統製法の羊羹をはじめとする村岡総本舗の羊羹・和菓子をご覧頂き、購入頂ければ
幸いです。
・8月30日~9月 6日 小田急町田店 「九州うまいもの市」
(TEL 0570-025-888)
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★カシューナッツ羊羹ご試食キャンペーン 8月6日-20日
8月6日より15日間 村岡総本舗直売店8店にてカシューナッツ羊羹のご試食
キャンペーンを行ないます。
切りたての伝統製法ならではの「あじわい」と「カシューナッツ」の取り合せの
「妙」をお試し下さい。
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発送を承っております。夏場におすすめの寒天涼菓「祇園川」、「水羊羹」や
「コーヒーに合う」と人気の「カシューナッツ羊羹」「シベリア」はこちらを
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「祇園川」 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=103534811
「水羊羹」 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=103301108
「カシューナッツ羊羹」 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=159501998
「カシューナッツ羊羹詰め合わせ」 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=162591801
「シベリア」 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=148801740
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