創業明治32年 (1899年) 小城羊羹初祖 村岡総本舗

村岡総本舗だより11月号230号

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◆村岡総本舗だより(パソコンEメール版)◆
     令和2年 11月号 No.230
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「エール」に登場した海軍の羊羹とシュガーロード

 NHKTV朝の連続ドラマ「エール」で10月7日羊羹「海の勵」が登場しました。
「うみのはげみ」あるいは「うみのはげまし」と読める筒状の包装の羊羹は、当時最先
端の技術で製造された羊羹です。

 江戸時代中頃、京都、長崎、江戸から始まったといわれる寒天原料の煉羊羹(ねりよ
うかん)は明治大正昭和の近代において貴重な食糧として全国に普及、日もちを長くす
るため缶詰羊羹が工夫されました。

 1930年米国ニューヨークに始まるとされるアルミ箔包装が日本に伝わり、昭和10
年頃には筒状の羊羹包装が出現しました。この包装を用いた海軍の羊羹は東京とらやの
「海の勲(うみのいさおし)」と佐賀県小城村岡総本舗の「海の誉(うみのほまれ)」が
ありました。令和2年6月に「エール」の助監督から村岡総本舗に「海の誉」の包装の
問い合わせがあり、「海の勲」の実物がとらや所蔵で現存することが伝えられ、その姿
を参考にした「海の勵」が実現しました。

 今も全国に十位存在するといわれる丸い筒形の羊羹は、缶詰より安価で軽量であるため、
画期的な発明でありました。
その後ガゼットといわれるアルミ箔等を重ね合わせた耐熱性の袋状の羊羹包装が出現、羊
羹の日持ちは飛躍的に長いものとなりました。今ではガセットの外の紙ケースをセットし
たアルミケースが普及し、羊羹製造はさらに安全安心の領域に入ってコストダウンも実現
しています。

この画期的な包装の羊羹は主人公古山裕一(モデルは古関裕而)の友人村野鉄男(モデル
は野村俊夫)から古山の家族へ贈られるシーンで登場しました。深いうす緑色の丸筒の羊
羹はまさに「海の勲」「海の誉」と同じ姿であり、当時を知る人々にとっても懐かしいあ
こがれの羊羹であったと思われます。

 この羊羹を実際に体験した現存者の一人が裏千家千玄室大宗匠です。文化勲章受章者で
海軍特攻隊員であった大宗匠は常にこの思い出を語られ、俳優西村晃さんたちと共に歩ん
だ戦争末期を思い出しておられます。とりわけ特攻出陣兵士を見送る時に羊羹を切り、食
した隊員に一服のお茶を点て供する逸話は印象的で、大宗匠の平和を希求する精神の原点
がここにあると拝察されます。

 「海の誉」は昭和18年から20年までの約一年半にわたり、月13~15万本製造さ
れ、原料は佐世保海軍工敞から小城駅へ運ばれ、馬車によって村岡総本舗にもたらされま
した。でき上った「海の誉」は村岡総本舗から約二キロメートルの道を馬車で小城駅へ運
ばれたのでした。

 本年令和2年は東京オリンピック開催が予定され、小城市の聖火リレーはJR小城駅か
ら村岡総本舗羊羹資料館までのルートが5月11日に予定されていました。海軍の羊羹「
海の誉」の原料は佐世保から小城駅村岡総本舗へ運ばれ、その中には当然砂糖も含まれて
いました。「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」は奇しくも令和2年6月日本
遺産に認定され、小城市構成遺産4の内に村岡総本舗本店、村岡総本舗羊羹資料館が選定
されました。海軍の羊羹の原料そして製品を運んだ道は偶然聖火リレーのルートとなった
のです。

昭和39年東京オリンピックのオリンピックマーチ作曲者古関裕而をモデルとしたテレビ
ドラマ「エール」が放映される中で、海軍の羊羹を模した「海の勵」が登場、平和の祭典
オリンピックと戦争の時代の灯ともいえる羊羹にスポットが当てられ、スポーツの伝統と
菓子の伝統がともに示されるところとなりました。

 令和3年5月10日に延期された小城市の東京オリンピック聖火リレーは午后4時JR
小城駅出発、村岡総本舗羊羹資料館午后5時到着の予定通りのコースとなりました。海軍
の羊羹「海の誉」を運んだシュガーロードに再び注目が集まり始めています。

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