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◆村岡総本舗だより（パソコンEメール版）◆
令和5年 1月号 Ｎｏ.256
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小城羊羹を育んだ唐津線小城駅１２０年！！
癸卯（みずのとう）の令和五年を迎えました。
昨年令和四年はコロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻による世界経済の混乱でさらなる困
難な状況と相成りました。
村岡総本舗は昨年三月村岡総本舗羊羹資料館が文化庁の食文化ミュージアムに認定され、国登
録有形文化財、２２世紀に残す佐賀県遺産、「砂糖文化を広めた長崎街道～シュガーロード～」
日本遺産構成文化財と併せて四つの文化財タイトルを得ることができました。永年のお客様の
絶大なご愛顧ならびにご支援の賜物と改めて厚く御礼申し上げます。
昨年は鉄道開設１５０年の記念すべき年でありました。明治政府の中枢を担った佐賀出身の大
隈重信により新橋横浜間に鉄道が開設され、その遺構は佐賀市にも移設され、明治の偉業が改め
て顕彰されたのでした。
小城の羊羹の歴史の中で鉄道の存在は大きく、百年以上前の羊羹業の発達にとって多大の役割
を果しました。とりわけ現在の小城駅の開設により、江戸期城下町門前町であった小城は明治よ
り始まった羊羹業の発展が目ざましく、「羊羹タウン」「羊羹のふるさと」といわれる小城がつく
られたのです。
今年１２０年となる小城駅の誕生には、今では想像できないようなエピソードが残されていま
す。明治３６（１９０３）年、九州鉄道は唐津多久間の唐津線を延伸し、長崎本線久保田駅につ
なげる計画を２月から開始しました。その後の突貫工事で１２月１４日に開通、１２月１５日に
は小城公園にて多くの方々が招かれ祝賀会が開催されました。その中には佐賀唐津の芸者衆を
はじめ、博多の芸者衆までが含まれていたのです。工事は東多久駅小城駅間の一本松トンネル
を含んでおり、今では考えられない突貫工事で計画を含むわずか１０ヶ月の内に約１５キロメ
ートルの鉄道工事が終了したのでした。
この翌年明治３７年２月日露戦争が開始されます。兵員、軍需物資はじめ、石炭等のエネルギ
ー等を運送する動脈としての唐津線は大きなインフラであり、この明治の爆発的エネルギーによ
る鉄道開設は日露戦勝利に貢献した要因であったと思われます。
その後羊羹は軍需物資として重用され、多くは小城駅頭で、あるいは鉄道によって各地に送ら
れ、品質を認められて九州全域に広く販売されるところとなりました。そして大正７～９（１９
１８～１９２０）年のスペイン風邪大流行で一時閉店の店舗に代って販売を始めた村岡安吉は、
1本１０銭の羊羹を２０％大きなものとし好評を博したのでした。大正デモクラシーによる観光
旅行の増加も加わり花見時期の小城駅では１日千本単位で羊羹の売り上げが記録されたといわ
れます。
この需要に応えて村岡安吉は蒸気応用、電動機利用の近代工場を開設、数百本単位の羊羹製造
は数千本単位に増大したのでした。ここで小城の羊羹の中心的存在だった「櫻羊羹」のブランド
は「小城羊羹」の方向へむかいます。大正時代櫻羊羹、小城羊羹のブランドをめぐる訴訟が続き、
羊羹業の発展による摩擦は多大なものが示されましたが、徐々に収束し、小城羊羹協同組合は戦
後の昭和２７年２月設立され、昨年３月７０周年記念式典が行なわれ、昨年１１月には７０周年
記念誌が刊行されたのでした。
１２０年の唐津線の歴史の中では、戦後村岡総本舗は中多久駅から鍋島駅までの車内販売を
行ない、今も多くの人々の記憶に残されています。昭和３８年より５３年まで約１５年間女性
販売員が羊羹箱をもち車中を売り歩きました。食糧としての羊羹の時代であり、弁当代りに羊
羹を求める方も多く、砂糖が高価であった時代のエピソードでありました。
平成元（１９８９）年映画男はつらいよ第４２作［僕の伯父さん］では小城駅の公衆電話から
葛飾柴又の寅さんの実家とらやへ電話をかける渥美清さんのシーンが残されています。背景には
昭和２７年開店の村岡総本舗小城駅前店の赤い看板が見え、羊羹好きの山田洋次監督ならではの
演出といわれました。
今では国登録有形文化財のＪＲ九州小城駅は、明治の三筆中林梧竹による小城駅の看板と２０
１８年の幕末維新博覧会を機に制作された中林梧竹の銅像があり、明治維新の混乱期に小城の町
のあちこちに自筆の石碑を提供した梧竹の顕彰がなされています。
併せて小城駅百年を機に設置された与謝野鉄幹、晶子夫妻とその和歌の高第で小城が生んだ社
会学の泰斗高田保馬博士の歌碑があり、「思へども肥前の小城はなほ遠し門司の港のかかり船よ
り」の与謝野夫妻の歌は昭和初期に歌に託した高田博士への格別の思いが示されています。
与謝野晶子の実家は大阪堺の老舗駿河屋でありました。京都伏見と和歌山の本家駿河屋は、
５００年以上の歴史を誇り羊羹の名門として関西一円に同門の店舗が数多く存在していました。
晶子は手伝いのかたわら菓銘を創案することもあったようです。羊羹のふるさと小城に晶子
の碑が建立されたのはそのような縁がつながったといわれています。
わが国の初期の社会学を担った高田保馬は歌会始めの召人（めしうど）をつとめた歌人として
も知られています。郷土に数多くの学校の校歌の作詞で貢献しました。「海ゆかば」の信時潔作
曲の新制小城中学校校歌、平成１９年甲子園優勝校佐賀北高校の豊増昇（小澤征爾の師）作曲
の校歌等、知られざる名作を数々残したのです。羊羹の歌も次のように残され、伝統の和歌の
地小城に大きな貢献をなしています。
羊羹の甘きをさらに願へども見つつ過ぐるも幾日のこと
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★神奈川、東京に弊店社員が参ります。
伝統製法の羊羹「小城羊羹・特製切り羊羹」をはじめ、「とら焼宗歓」「丸ぼうろ」に
加え、「カシューナッツ羊羹」もお持ちする予定です。
百貨店での催し物の良い点は、お客様と弊店社員が対話を行いながら商品を選べる点
にございます。
伝統製法の羊羹をはじめとする村岡総本舗の羊羹・和菓子をご覧頂き、ご購入頂けれ
ば幸いです。
・１月１９日～１月２５日 京急百貨店「第27回大九州展」（TEL045－848－1111）
・１月２７日～２月 ５日 テーブルウエア（東京ドーム） （TEL03－3817－6281）
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ご用意しておりますので、ご活用頂ければ幸いです。
「カシューナッツ羊羹」 https://muraoka-sohonpo.com/?pid=159501998
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