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◆村岡総本舗だより◆
2010年3月号 No.102
毎月一回発行の和菓子の情報誌です。一人でも多くの方に村岡総本舗の考えを
理解していただければ幸いです。
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弥生三月いよいよ待望の春到来です。
全国的に今年は雪の多い年となったようです。それでも桜の開花は例年より早い
との予報も出ており、一日も早い暖かな春が待たれます。
春の到来の象徴である桜は、古来日本人の心の中の大きな存在でありました。
日本の歴史公園百選に選定された佐賀県小城市の小城公園は桜の名所百選にも選
定されています。壮大な中国式庭園の中に桜の岡をつくり、これを町の中心とし
たのは十七世紀後半の小城藩主鍋島直能、元武の親子であったといわれます。
十七世紀に始まる桜の歴史は京都の後西院にも伝わり、「さく花にましる岡べの
松の葉はいつとなきしも色を添えつつ」の御製が寄せられました。この和歌が収
められた歌集「八重一重」別名「海外飛香」は明治の近代書家中林梧竹の大書と
しても残され、その石碑は佐賀県立小城高校の東に建立されています。後西院御
製歌も梧竹の筆により石碑として小城公園頂上に設置され、同じく梧竹作の桜岡
公園の碑も桜岡小学校の南西に自然石にて建立されました。小城にことさら思い
入れの深かった中林梧竹の生誕の地は、この小城公園に近接していました。その
地から四~五軒のところに有田焼再興の恩人江越礼太がおり、江藤新平をかくま
い命を救った、後の熊本県知事富岡敬明も小城出身で梧竹の従兄でありました。
「羊羹のふるさと小城」は「梧竹のふるさと」でもあり、町の至るところに梧竹
の筆跡が様々な形で残されています。
村岡総本舗では小城の桜の伝統をさらに有名なものとした白小豆を使用した「
櫻羊羹」を復活させました。また和歌集に因む「海外飛香」を餅入最中としてこ
の季節に製造販売しております。そして後西院御製歌より、「岡の花」を題材と
して桜色のういろう「岡の花」を創製し三月の「季節の棹物」として販売いたし
ます。いずれも春らんまんの桜花に由来する味わいとしてお楽しみいただきたく
存じております。
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目次
・特集「有平糖(あるへいとう)」
・「肥前の菓子 シュガーロード長崎街道を行く」のご案内
・「菓子文化セミナー」のご案内
・「お客様の広場」
・今月の菓子
・最近取り上げていただいたテレビ、雑誌等
・直営店での催し物の御案内
・各地催し物の御案内
・「とらやき宗歓」アンケート2月の当選者発表
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★ 特集「有平糖(あるへいとう)」
ひなまつりの3月は「ひなあられ」が定版とされますが、まだまだ春先の乾燥と
寒さの中で、「あめ」の需要は大きく、のどに優しい食として愛好されています。
「あめ」をテーマとした狂言があるように、古来わが国では澱粉からの飴づくりが
盛んでありました。南蛮文化の到来とともに砂糖を使用した飴も伝えられ、異なる
甘さの魅力は各地へ渡っていきました。
ポルトガル語でアルフェロアあるいはアルフェニンと言われた有平糖(あるへい
とう)は現在ポルトガル北西の島々、アソレス諸島のテルセイラ島に残されていま
す。鳩の形の有平糖はその象徴であり、同じポルトガル南西のマデイラ島砂糖博物
館にも展示されていて、数百年の伝統をここにしっかりと示しています。
わが国では有平糖は京都を中心に残され、様々な細工の飴として今日に伝えられ
ています。また肥前の長崎県、佐賀県では祝いの時の千代結び(眼鏡菓子)として
その形態が残っています。
有平糖細工の極めつけは昭和40年代の伊万里における婚礼菓子「寿賀台(すが
だい)」であったといわれています。栗副製菓舗による寿賀台は精密を極め、とり
わけ打出の小槌の形をした宝珠は芸術的な形と輝きを見せていました。今は写真に
だけ残る芸術的な寿賀台の復元は望むべくもありませんが、2月20日より始まっ
た佐賀市民俗歴史館における佐賀城下ひなまつり菓子の展示の中にその趣きを残し
た寿賀台が復元されています。佐賀県菓青会のメンバーによる意欲的な試みが近年
続き、このような姿が復元され昔の面影をいささかながら残すところとなりました。
この展示は3月31日まで行なわれています。
村岡総本舗ではこの有平糖の製作技術を京都に求め、その製法を学び、五十五年
前から飴づくりに励んできました。
伝統の手技による有平糖づくりは、梅・茶・黒糖三種の味でこの時期手間暇を惜し
まず行なわれています。
また肥前の地に残る桜、楠、蛍、蜜柑等の風物や千代結びをイメージした飴“あ
るへいと”を企画製作し、販売しています。さまざまな製法の違いと併せて独特の
味わいをお楽しみ下さい。
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★「肥前の菓子 シュガーロード長崎街道を行く」のご案内
弊店社長・村岡安廣の著作「肥前の菓子」が佐賀新聞より発売されております。
長崎街道は菓子の技術が伝わった道として、「シュガーロード」とも呼ばれてい
ます。著者は研究のため、年月をかけて佐賀、日本はもちろん、ポルトガル、ス
ペイン、韓国、中国、タイなど多くの国々を訪れています。ぜひご一読下さい。
価格1,000円(税込)
佐賀県内の書店、村岡総本舗直売店で販売しております。
メールでのご注文も受け付けております。お名前、ご住所、お電話番号、冊数を
ご記入の上、下記までご連絡下さい。
(送料1冊210円、冊数により違ってきます。)
info@muraoka-sohonpo.co.jp
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★「菓子文化セミナー」のご案内
・開催日 3月20日(土)14時 「ひなまつりの菓子」
・場所 村岡総本舗 佐賀総本店 二階会議室
〒845-0001 佐賀市高木瀬町東高木
・会費 月に千円
申込方法
電話、FAX、メールにて承っております。
mail info@muraoka-sohonpo.co.jp
フリーダイアル 0120-358-057
TEL 0952-37-3173
FAX 0952-37-3191
FAX、メールの場合、御住所、御名前、連絡先をご記入の上お申込下さい。
定員30名になり次第締切させていただきます。
●次回の開催日 4月10日(土)
(※予定は変更になる場合がございますのでご確認の程宜しくお願い申し上げます)
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★「お客様の広場」
今回もホームページ上よりお買い上げいただいたお客様と、店頭でアンケート
に答えていただいたお客様のご意見を掲載いたします。
ありがたいご意見を数多くいただき、本当に感謝いたしております。
ご協力ありがとうございました。
「故郷、九州佐賀へはなかなか帰れません。町田にある小田急百貨店の物産店の時
はかならず行って、村岡羊羹、丸ぼうろ等手に取って、懐かしく思い出しており
ます。変わらない味にホッ!」
(町田市・加藤様)
「以前おみやげにいただいてから探していた羊羹をやっと見つけました。外はサク
サク中はしっとりで見つけた時はすごく喜びました。子供にも食べさせたら『ま
た食べたい!』と言っていたので来ました。これからもお店へ行きたいと思いま
す。」 (熊本県・女性)
「佐賀を離れて40年!近所、職場、友達へのみやげの定番は丸ぼうろです。皆、
楽しみに待ってくれます。この10年来ちょっと日数がたってもやわらかい貴社
の丸ぼうろと決めています。」
(東京都・女性)
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★今月の菓子
●「岡の花」(季節の棹物)
“桜の名所百選”の小城公園の「桜岡」をイメージして作られました。羊羹作り
同様に研究を重ね、やわらかな味わいに仕上げました。
・定価1365円 (通信販売不可) ・賞味期限 7日間
・販売期間 3月
(http://www.muraoka-sohonpo.co.jp/category/003_okanohana.html)
●「櫻羊羹」
櫻羊羹の名は羊羹のふるさと小城が三百年の昔より桜の名所であったことから
名付けられました。白小豆のみを使った繊細で上品な味わいは菓子愛好家の方々
からも支持されています。
・定価1365円 (通信販売可) ・賞味期限 15日間・販売期間 通年
(http://www.muraoka-sohonpo.co.jp/product/sakura_yokan.html)
●「おぎおんさん」
江戸時代の肥前第一の神社であった祇園社(須賀神社)は「おぎおんさん」の
呼び名で親しまれており、同様に馴染み深い小城公園の桜をイメージし創製した
羊羹です。ハートの形にも見えるところからホワイトデーにもご利用いいただい
ております。
・定価 五個入 630円 十個入 1050円(通信販売可)・賞味期限90日間
・販売期間1月~7月
(http://www.muraoka-sohonpo.co.jp/product/ogionsan.html)
●「菜の花」(上生菓子)
春の代表的な風物詩の一つである菜の花をきんとんで表現しました。小豆の粒
あんと白いんげん豆から作られるきんとんのハーモニーをお楽しみ下さい。
・定価231円 (通信販売不可) ・賞味期限 当日限り
・販売期間 3月
●小城の朔羊羹
年に6回限り生産する和三盆糖、備中産赤大豆を使用し最高品質の本練り羊羹です。
・価格 10500円(通信販売可)・賞味期間 20日間
・販売期間4、7、8、12、1、3月の1日のみ
※ただし、十五箱以上のご注文いただければ製造が可能ですので、ご相談
ください。
(http://www.muraoka-sohonpo.co.jp/product/tsuitachi.html)
商品のご注文、お問い合わせは下記の方までお願いいたします。
また、これらの商品がない店舗も一部ございますのでご了承ください。
ホームページ http://www.muraoka-sohonpo.co.jp
mail info@muraoka-sohonpo.co.jp
フリーダイアル 0120-35-8057(午前8時~午後8時)
FAX 0952-37-3191
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★ 最近取り上げていただいたテレビ、雑誌等
・読売テレビ平成二十二年二月四日放送、『カミングアウトバラエティ!秘密のケ
ンミンSHOW』の“辞令は突然に”のコーナーで村岡総本舗小城本店西村麻美店長
が丹波製羊羹二本詰木箱詰をおすすめする場面と“小城櫻”が紹介されました。
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★直営店での催し物の御案内
●とら焼宗歓四個付キャンペーン日程
・3月 6日(土) 唐津店 (午前9時~午後7時30分)
唐津中央店(午前8時~午後8時)
・3月13日(土) 福岡店 (午前10時~午後7時)
・3月20日(土) 多久店・白石店(午前8時~午後8時)
・3月28日(日) 本店 (午前8時~午後8時)
小城中央店(午前8時~午後8時)
小城駅前店(午前9時~午後6時)
・「とら焼宗歓4個付けキャンペーン」では店内商品1,050円以上お買い上げの
お客様に『とら焼宗歓』四個無料進呈
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★ 各地催し物の御案内
「特製切り羊羹」、「とら焼き宗歓」、「丸ぼうろ」、「極上羊羹 心・愛・和」
をお持ちする予定です。
・3月 4日~3月10日 近鉄上本町 (TEL 06-6775-1111)
・3月 4日~3月10日 中合福島店 (TEL 024-521-5151)
・3月17日~3月23日 近鉄松下 (TEL 0834-21-5000)
・3月17日~3月23日 小田急町田 (TEL 042-727-1111)
・3月17日~3月22日 立川高島屋 (TEL 042-525-2111)
・3月18日~3月24日 近鉄阿倍野 (TEL 06-6624-1111)
・3月17日~3月29日 横浜高島屋 (TEL 045-311-5111)
・3月24日 浜屋 (TEL 0958-38-2415)
・3月24日~3月29日 下関大丸 (TEL 0832-32-1111)
・3月30日~4月 5日 大宮高島屋 (TEL 048-643-1111)
・3月31日~4月 5日 鹿児島山形屋(TEL 099-227-6111)
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★とらやき宗歓アンケート2月の当選者
直営店や東京、大阪での催し物でお買い上げいただいたお客様に差し上げている
アンケートはがきの当選結果です。ホームページでお買い上げになられ、アン
ケートに答えられた方も対象とさせていただきました。
「とらやき宗歓」(1,113円相当分)を10名様にプレゼントさせていただきます。
おめでとうございます。
中原久夫様(佐世保市) 大坪千夜乃様(佐賀市)
山下勝則様(西松浦郡) 西津和代様 (佐賀市)
佐藤陽子様(大分市) 酒谷昌典様 (伊丹市)
今福昌美様(大牟田市) 加藤昌江様 (町田市)
小渕美佐様(荒尾市) 袋小夜子様 (小平市)
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★ お願い
おかげさまで「村岡総本舗便り」は登録者数が約2000名となりました。
また、店舗でお渡ししている「ダイジェスト版」のほうも2月は約12000名の方に
お渡しができ、本当にありがたく存じます。一人でも多くの方に和菓子のすばら
しさを知っていただければと思っておりますので、和菓子にご興味がある方には
ぜひ下記のアドレスをお知らせください。
すぐにご登録いただけます。
http://www.muraoka-sohonpo.co.jp/mailmagazine.html
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★福岡空港をお使いの皆様へ
博多大丸エアポートショップで「特製羊羹(1本 1260円)」(価格税込みです)が
お買い求めになれます。
第一ターミナル、第二ターミナル2階の岩田屋で「小城羊羹(2本入1575円・3本入
2310円)・小型小城羊羹(5本入672円・8本入1050円・12本入1575円)」(税込み
価格)がお買い求めになれます。
販売店は下記を御参照ください
博多大丸エアポートショップ
(http://fukuoka.e-machi.ne.jp/109389/)
福岡空港第2ターミナル
(http://shop.fuk-ab.co.jp/store/shop/details/shop_detail59.html)
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◆村岡総本舗だより◆
提供・発行:(株)村岡総本舗 http://www.muraoka-sohonpo.co.jp
本店・羊羹資料館 佐賀県小城町861
TEL 0952-37-3173(代)
0120-35-8057
FAX 0952-37-3191
※本誌に関する御意見・御感想・などのお問い合わせ先
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