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◆村岡総本舗だより(パソコンEメール版)◆
令和3年 9月号 No.240
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羊羹百話刊行三十年。村岡総本舗通信販売発足三十年。
平成3年10月1日羊羹百話全108頁が刊行されました。和菓子の本が数少ないといわ
れる時代に生れた全頁写真の画期的な参考書として注目され、今なお高い評価を得ています。
この出版の由来は3頁目の「まえがき」に以下の通り記されました。
羊羹のはなしを広告として掲載する企画が提出されたのは、昭和五十五年の
ことでありました。ちょうど弊店社内報に“村岡安吉伝”が連載され始め、三年
が経過した頃でしたが、未だ資料不足であったため、この時は見送りなりました。
昭和五十七年茶道裏千家淡交会第二十七回九州地区大会開催の折、佐賀新聞社
を訪問する機会があり、当時の中尾清登社長にこのような広告掲載を勧めていた
だいたことから第一回目が始まりました。茶道と羊羹の関わりや中尾家が小城鍋
島藩ゆかりであられたことはこの“羊羹百話”との不思議な因縁を感じさせます。
“羊羹のふるさと小城”が自然と歴史の宝庫であること、現代に生きつづける
羊羹は数多くの先達の努力の賜物であることをはじめとして、この広告の制作に
あたり多くの事がらを学ばせていただきました。
既に十年近くの歳月を経過したため、内容については現時点にあわせ若干の修
正を行ないました。
和菓子の典型とされ、時代を超えて生きつづける羊羹、中世において肥前の国府
といわれ、今年源頼朝よりの千葉常胤拝領八百年をむかえた小城にまつわるさまざ
まな話の中に、この風土の中で羊羹づくりを行う人々の心意気を感じとっていただ
ければと念じております。
昭和46年家業の村岡総本舗に入店した村岡安廣社長は、多くの方々から「小城は何故羊
羹が盛んなのか」「小城羊羹のルーツはどのようなものなのか」等の質問を数多く受け続けま
した。答えは見つからず、このミステリーは村岡総本舗佐賀総本店が開店し、社内報に連載
した「村岡安吉伝」を一冊にまとめたことから答えが少しずつ見つかり始めました。そして
新聞広告の「羊羹百話」に至ったのです。その後については一部「羊羹百話」106頁目の
「あとがき」に以下のように記されています。
平成三年一月に終了した佐賀新聞誌上と併行しての平成三年九月までの日本
経済新聞西部版夕刊の“羊羹百話”は、若干の違いはあるものの、ほとんどが
同じ題材を扱ってめでたく完結しました。いずれも九年余の長い期間のうちに
さまざまな反響をいただき、数多くの読者の方々の声に励まされながら掲載を
続けられたことは望外の幸せであり、誌面を借りまして厚く御礼申し上げます。
佐賀広告協会の広告賞に二回選出され、日経広告研究所の“日経広告手帖”
にも三回紹介されるという栄誉に輝きましたが、これも偏えに佐賀広告センタ
ー大橋友文氏の熱筆によるものと改めて感謝する次第です。
あわせてこの羊羹百話の掲載が続くうちに村岡総本舗の社員一人一人の羊羹
に対する思いが次第に深まり、羊羹づくりにかける情熱が高まった感がありま
した。
羊羹愛好のお客様のご期待になおいっそうおこたえできますよう、一同研鑽
いたす所存でございますので、ますますのご激励をお願い申し上げます。
この「羊羹百話」刊行時、通信販売の企画がもちあがりました。世界水準の村岡総本舗
の商品を広く多くの方々に知っていただき、小城の名水に育くまれた羊羹をはじめとする
伝統菓子をさらに輝くものとすることが意図されました。「羊羹百話」は1万部発行され、
内6,000部以上が通信販売の案内とともに全国の顧客の方々に発送されました。
今なお書籍として高い評価を得ている「羊羹百話」の後日談があります。村岡安廣社長
が約15年前お会いした高名な菓子研究家金塚晴子氏から次のことばをいただきました。
…「羊羹百話」はすばらしい参考書で、私は神田の古書店で8,000円で購入しました。…
村岡社長は絶版まで300円+税で発売した「羊羹百話」がそのような高価本となってい
ることに驚き入ったそうです。
この「羊羹百話」までの道のりは様々に存在していました。昭和51年村岡総本舗オリ
ジナルカレンダーの11月12月の「羊羹づくり」の型絵染は佐賀県鹿島市の鈴田照次氏
の作品でありました。明治大正の手づくりの羊羹製造を再現した型絵染は画期的な作品で
あり、伝統菓子の世界に大きな光がもたらされました。
そして昭和59年3月31日には村岡総本舗羊羹資料館が開館、その後平成9年国登録
有形文化財、平成19年隣の村岡総本舗本店とともに22世紀に残す佐賀県遺産、令和2
年、小城羊羹そして村岡総本舗本店とともに「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロー
ド」の日本遺産認定とともに構成文化財となりました。直近のTV番組で大正から昭和に
盛んに用いられたスパニッシュ瓦の建築が紹介され、村岡総本舗羊羹資料館の軒瓦もこの
スパニッシュ瓦であることが注目されています。
数々の歴史と伝統の下に育くまれた「小城羊羹」と「村岡総本舗」が、その由来をひも
とくスタートとなった「羊羹百話」。
30年の歴史は伝統菓子のパワーによって輝くものとなっています。
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★茨城、千葉に弊店社員が参ります。
伝統製法の羊羹「小城羊羹・特製切り羊羹」をはじめ、「とら焼宗歓」「丸ぼうろ」を
お持ちする予定です。
百貨店での催し物の良い所は、弊店社員とお客様が対話を行いながら商品を選べる所
だと思います。
伝統製法の羊羹をはじめとする村岡総本舗の羊羹・和菓子をご覧頂き、購入頂ければ
幸いです。
9月 2日~9月 7日 水戸京成 (TEL 029-231-1111)
9月22日~9月27日 柏高島屋 (TEL 04-7144-1111)
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★フェイスブック・インスタグラムのご案内
季節限定の商品や、各地催し物のご案内を写真付きでご紹介しております。
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毎月1、2回羊羹・和菓子・シュガーロードについての情報を発信しております。
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◆村岡総本舗だより◆
提供・発行:(株)村岡総本舗 http://www.muraoka-sohonpo.co.jp
本店・羊羹資料館 佐賀県小城市小城町861
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